気象環境ツアー『釜房ダムの見学と河川勉強会』を開催しました(2019年7月6日)

東北地方整備局のご協力のもと開催している河川の勉強会。ことしは、会員からのリクエストもあり、仙台から車で約1時間、宮城県柴田郡川崎町にある釜房ダムで「ダム見学と河川の勉強会」として西日本豪雨から一年となる7月6日に行われました。

狩野武志所長から「釜房ダムの概要や役割」についてご説明いただいたあと、防災センターふれあい学習資料館で「ダムが出来るまでの歴史」を学び、さらに、ヘルメットをかぶってダム堤体内部へ。普段はなかなか入れない、通常の放流を行うためのコンジットゲートや、監査廊のダム水深10mから30mにあたるところまでご案内いただきました。また、ダム堤防で最も高い天端(てんば)から水面を見下ろしたり、異常洪水時に放流を行う「クレストゲート」もすぐ近くで見学。管理所に戻ってからは、洪水調整なども行われるダム操作室の見学、災害対応に関する意見交換と、ダムや河川について体験しながら知識を深める時間となりました。


以下、参加された方からの感想です。

【吉田 晴香さん】
仙台市民の大きな水がめである釜房ダム、ふだんとてもお世話になっているダムですが、今回、初めてじっくり学ばせていただきました。はじめに、釜房ダムができるまでをまとめたVTRを拝見しました。ダムに沈んだ地域のかつての暮らしや、水没すると分かってからのお別れ会の様子など、胸に迫るものを感じました。このような方々の犠牲があってこその今の暮らしがあること、忘れてはいけないと感じました。そして普段は見られないダムの監査廊を見学させていただきました。年間を通して11度に保たれているそうで、中はとってもヒンヤリ!点検作業も細かく行っていらっしゃるとのこと、頭の下がる思いでした。また、東北地方整備局の方々との意見交換では、メディアとの連携についてなど様々な意見を交わすことができました。東北でも河川氾濫が毎年のように起こる今、こうして普段からつながりを深められたことはとても有意義なことだったと感じます。とてもいい機会をありがとうございました。

【土井 邦裕 さん】
今回のダム見学が自身2度目の見学でした。ダムの歴史まで感じられる内容でとても勉強になりました。恥ずかしながら、いままで治水や発電のためのダムという、ダムの効果のみにイメージが偏っていた一面がありました。今回、展示や資料映像、職員の方のご説明を聞いてダムには、周辺で暮らしていた様々な方の決断や悲しみの上に成り立っているということを強く意識するようになりました。自分たちの生活が豊かになっているのも、犠牲の上にあるものだと認識して、今後、天気や水などと関わっていきたいです。このさきも、ダム見学など機会があれば積極的に参加したいです。

【竹下 愛実 さん】 
ダムは場所ごとに個性も魅力もまったく違って、いくつ訪れても飽きることがありません。特に今回お邪魔した釜房ダムは、戦前に計画されたダムだけあって堤体に対しダム湖が大きく、まさに「仙台108万人の水がめ」であることを目の当たりにしました。見学では普段入れないところも含め見せていただき貴重な体験になりましたし(高い所が苦手な参加者は大変そうでしたが…)。
東北地方整備局の皆さんとは率直に意見交換をさせていただけて、充実した一日となりました。ダムカードのお土産を大切に、これからも学び続けたいと思います。

なお、住民自らの行動に結びつく水害・土砂災害ハザードリスク情報共有プロジェクトの一環で、東北地方整備局でもSNSによる情報発信を強化しようとツイッターを設けたそうです。アカウント https://twitter.com/mlit_tohoku

今回の見学をもとに、情報が出る背景にはどんなことがあるのか具体的にイメージしながら、いざという時に「自分のいのちは自分で守る」行動をしてもらえるような情報発信ができるよう、日々、工夫していきたいと思います。
貴重な機会をご準備いただきました東北地方整備局 河川部の皆さま方、ありがとうございました。(鈴木 智恵)