「一年の重大ニュース」に入る事象が、元日、2日と立て続けに発生するなど波乱の幕開けとなった2024年、
会員の皆さまは、どんな新年を迎えられたでしょうか?
さてWCNの中四国では、中国地方整備局と共同で、行政やメディア対象の勉強会を定期的に開催しています。そのメンバーで2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山・倉敷市真備の洪水災害現場の視察に行きました。
(WCNで2019年4月に被災直後の現場を視察に出かけましたが、それを覚えていらっしゃる会員の皆さまも多いかと思います)
2018年の西日本豪雨では、未曾有の大雨で岡山県の県北から瀬戸内海に流れる高梁川が増水することで水位が上がりました。その影響で支川の小田川からの流水が流れ込みづらくなる“バックウォーター現象”が発生して増水し、小田川やその支川の堤防が決壊して死者・行方不明者が60人以上となる大きな被害となりました。
高梁川の下流域は昔から洪水が何度も起きている場所ですが、明治の水害を受け大正時代にかけて大規模な治水工事を行いました。このときに川をふさいだ場所を掘削して、新たに川としてバイパス化し、高梁川と小田川の合流点を下流に変えました。そして、その合流点を堤防で塞ぐ工事を行っています。
この事により、小田川の流れに傾斜をつけることができ、流水が流れやすくなると言います。また、倉敷市市街地よりも下流で合流することになり、市街地の洪水リスクを小さくできるそうです。
高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所
https://www.cgr.mlit.go.jp/takaoda/index.html
この3月に工事が完了するということもあり、工事の進捗状況や変わりゆく町の様子をもう一度見てみたいと思っていましたが、このタイミングで叶いました。
10月に新しい合流点での通水が始まり、これまでの合流点を堤防で塞ぐ最後の工事が急ピッチで進んでいます。普通の公道では見られない40トンのダンプカーや大型のショベルカーが急ピッチで動いていました(なんと、一部無人化されているとのこと)
川の浅瀬を行くダンプカー
地盤が頑丈でこんなことができるんだとか…
40トンダンプ でかいぞー!
5年近く前とおなじ場所に立つと、この間に起こったいろいろな出来事やWCNであったことなどがフラッシュバックしてきました。(5年前の現地視察では、視察が決まって当日までの1ヶ月足らずの間だけでも本当に色々なことがありました…)
左:小田川 右:高梁川 川を隔てる新設の堤防の上にて(2023年12月)
左:小田川 右:高梁川 新設の堤防予定地にて(2019年4月)
改めて現地に立つことで、防災・減災につながる気象情報のあり方や伝え方、WCNの今後について、思いを馳せた次第です。
堤防はあと数百mで完成します(事務所長はかなり焦っておられました)
完成の暁にはまた現地に伺い、完成した様子や町の変わりようを改めてゆっくり見てみたいなと思っています。
左:高梁川 右:小田川 まもなく堤防で塞がる合流点(あと3ヶ月だけど大丈夫?)
左:高梁川 右:小田川 川下と合流点を望む(2019年4月)
担当理事:波田健一