1月31日 理事のお天気だより(鈴木智恵)

気象キャスターネットワークの鈴木智恵です。
ついこの前、新年を迎えたと思ったのに、きょうは1月最終日。
いかがお過ごしでしょうか?
理事のお天気だより、今回は私、鈴木智恵がお伝えします。

今、長野県民にとって一番の関心ごと。
それは「諏訪湖の御神渡り(おみわたり)」がなるかどうか。
ニュースでも連日、朝の冷え込みとともに、湖面の凍結状況が伝えられています。

長野県の、ひいては、本州のへそに位置する諏訪市の諏訪湖は、
朝、氷点下10度前後の冷え込みが数日続くと、湖面が全面結氷。
さらに、数日、氷点下10度前後まで下がると、日中の気温上昇も相まって氷が収縮し、
南の岸から北の岸にかけて湖面の氷が裂けて、
高さ30センチから1メートル80センチほどの氷の山脈ができるのです。
これが「御神渡り」です。

2018年に出現以来、ことしは5年ぶりの出現となるか。
小寒から、御神渡りの判定と神事を行う八剱(やつるぎ)神社の
宮司や氏子の皆さんが、毎朝6時半から、
気温と水温の計測とともに、湖面の観察を行っています。

そこで、私も現地に行って様子を見てきました。
29日の諏訪湖岸の気温は氷点下9.4度。水温は0.5度。氷の厚さは2センチほど。

「目視できる範囲では全面氷結」とのことでしたが、あたりを見るといろんな光景が。
風で砕けた氷が重なって氷のパッチワークのようになっていたり、

しぶき氷があったり・・・。

さらに目を遠くに移すと、ごくごく氷が薄いところには、
ビーナスベルトのピンク色も映り込んで、寒さも忘れる美しさでした。

近年は地球温暖化の影響もあり、御神渡りが出現しにくくなっているため、
1443年室町時代から伝わっている570年以上の御神渡りの記録は、
貴重な気候変動の記録にもなっています。

さぁ、ことしはいかに?!
御神渡りが出現した際には、全国ニュースにも取り上げられると思いますので、
ぜひチェックしてみてください。

次回のお天気だよりもお楽しみに。

担当理事:鈴木智恵