冬になりました。冬の楽しみといえば、スキーやスノーボードといったウィンタースポーツなど、様々あると思いますが、私の冬の楽しみの1つは食で「鮭の飯ずし」を食べることです。「鮭の飯ずし」とは、私の故郷青森の郷土料理で、鮭、柔らかめに炊いた飯を交互に幾重にも敷き詰め、重石をかけてなれさせたものです。毎年母が11月の半ばから下旬につけてくれ、しばらく寝かせて年末年始に食べています。冬の間雪に閉ざされる津軽地方は、作物や魚介をとれる時期にできるだけとって、干したり塩漬けしたりと工夫して保存したそうです。米は主食としてだけでなく、糠や麹などさまざまな形で暮らしに活用したそうで、鮭の飯ずしも保存食の1つだったようです。もともと飯ずしは、酢を使わなかったそうですが、温暖化により気温が下がりづらく、麹を使った長期間での低温発酵が困難になったため、酢を使うのが主流になったようです。奈良岡家では鮭まるごと3本使うため、作るのはなかなかの重労働で、母が毎年気合を入れて作ってくれます。私は毎年、年末年始に当たり前に食べていて、それが郷土料理だと知ったのは、実はつい最近のことです。全国のみなさんがこれをお正月に食べていないなんてちょっとした衝撃でした。そのまま食べることもあれば、焼いて食べることもあります。お酒が好きな方はきっと好きだと思います!
母が言うには寒いほど美味しくできるそうです。今後気候が変わっていったら私の大好きな鮭の飯ずしはどうなってしまうのかとちょっと心配しています。とりあえず今年ももうすぐ食べられると思うので、楽しみです。
画像は農林水産省のHPより。
担当理事:奈良岡希実子