私が住む長野県はおよそ8割が山地という山岳県で、
山の恵みを受ける一方、大雨と土砂災害が隣り合わせ。
古くから土石流を示す「蛇抜け」という言葉が伝わり、
蛇抜沢や押出沢という地名が残っています。
そこで、先日、長野県と愛知県の県境に近い南木曽町(なぎそまち)に行った際に、
「蛇ぬけの碑」を見てきました。
昭和28年に3人が亡くなる蛇抜け(土石流)災害が発生。
慰霊とこの災害で得られた教訓を後世に伝えることを願って
建てられたのが「蛇ぬけの碑」です。
この碑には
白い雨が降るとぬける
尾先谷口宮の前
雨に風が加わると危い
長雨後谷の水が急に
止ったらぬける
蛇ぬけの水は黒い
蛇ぬけの前にはきな臭い匂いがする
と書かれていました。
令和の時代の今も、学ぶべきことが書かれています。
「白い雨が降った」というのは、
ほかの土砂災害のにあった住民の方からも聞かれる表現です。
(この碑の裏手)
また、近くにある大正時代に建てられた家屋は、
1階部分は、また崖崩れが起きても多少は対応できるように、
柱だけのピロティになっていて、
さらに、当時、山から崩れ落ちてきた岩の上に、
柱を組んでいる部分もありました。
この付近がいかに昔から土砂崩れが多く起こっていたかを
あらためて知ることができました。
時間のある時にでも、お住まいの地域をゆっくり歩いてみると、
過去の災害から学ぶ何かが見つかるかもしれません。
今年が残暑が厳しいようです。
くれぐれも、ご自愛ください。
来週の理事だよりもお楽しみに。
担当理事 鈴木 智恵