こんにちは。NHK名古屋でラジオ番組を担当している石垣真帆です。
4月18日、広島に行ってきました。
去年8月に起きた豪雨災害の現場の視察です。
気象キャスターネットワークの研修として、広島で活躍されている会員の波田健一さんが企画、
中国地方整備局のみなさんにご協力いただいての実現でした。
まず向かったのは、安佐南区の緑井地区。
遠目でも、押し寄せた土砂の威力がいかに凄まじかったのかがわかります。
(波田さん撮影)
実際に歩いて現場を見ながら、
事務所のみなさんが、くわしく説明してくださいました。
(波田さん撮影)
土台だけになった宅地。
ひとすじ違うだけで、被害の程度はまったく違います。
建物が残った県営住宅も、2階の屋根の瓦が落ちています。
この高さまでの土砂が来たんだ・・・茫然と見上げました。
階段の手すりも崩れています。
車もこのような状態に・・・
所有者の了解をとらないと移動させることができないそうで、
何もなくなった宅地のあちらこちらに、
ポツン、ポツン、と残されていました。
全3kmほどの行程を
途中途中で沢沿いの被害の痕を確認しながら歩いていき、
最後に特別に斜面を上がらせて頂いて目にしたのが
八木地区の治山堰堤が堰きとめた、大量の土砂と木。
これだけ堰きとめても、もっともっとたくさんの土石流が
住宅を襲ったのです。
百聞は一見にしかず。
大雨の被害のあった現場を訪れたのは初めてでしたが、
自分の目で見たことによって、被害の実態をリアルに理解し、
被害を防ぐために、身を守るために、何が必要なのかを
「我がこと」として考えることができました。
そして、改めて、どこでも起きる可能性はある、ということを
肝に命じるべきだと強く感じました。
今、現地ではこうした土石流に対する応急対策として、
強靭ワイヤーネットを設置しています。
さらに、砂防堰堤を築く計画ですが、
その為に工事用車両が通る道路の拡張から始めなくてはならない現状もあります。
気象予報士として、防災士として
いざという時に、視聴者にきちんと情報を伝えながら、
リアルに捉えてもらう工夫をすること、
そして何よりも、普段から「我がこと」として考えてもらう呼びかけを
あきらめずに続けることが大切だと思いました。
貴重な機会を頂けたことに感謝しています!
中国地方整備局の皆さま、波田さん、ありがとうございました。
と、思いを新たにしたところで最近始めた取り組みも紹介させてください。
現在、NHK名古屋放送局のラジオ番組『夕刊ゴジらじ』で番組キャスター兼、気象解説を担当しているのですが、
今年度から新コーナー『防災士 石垣真帆の「防災 これを!」』を立ち上げました。
数ある備えの中で、「特にこれを知ってほしい」「実践してほしい」と思ったことを、ピンポイントで伝えようという企画コーナー。毎月1回の予定です。
ひとくちに「防災」というと大きく感じてしまいますが、
備える知恵、知識、危機感の持ち方は、日々の生活につながるものだと思うのです。
リスナーに呼びかけながら、一緒に考えてもらったり、実際に動いてもらったりと、ラジオならではの工夫も盛り込んでいきます!
ひとりでも多くの人に「我がこと感」を持ってもらえるように、試行錯誤をくり返しながら頑張ってみようと思います。