気象キャスターネットワークの鈴木智恵です。
ついこの前、新年を迎えたと思ったのに、きょうは1月最終日。
いかがお過ごしでしょうか?
理事のお天気だより、今回は私、鈴木智恵がお伝えします。
今、長野県民にとって一番の関心ごと。
それは「諏訪湖の御神渡り(おみわたり)」がなるかどうか。
ニュースでも連日、朝の冷え込みとともに、湖面の凍結状況が伝えられています。
長野県の、ひいては、本州のへそに位置する諏訪市の諏訪湖は、
朝、氷点下10度前後の冷え込みが数日続くと、湖面が全面結氷。
さらに、数日、氷点下10度前後まで下がると、日中の気温上昇も相まって氷が収縮し、
南の岸から北の岸にかけて湖面の氷が裂けて、
高さ30センチから1メートル80センチほどの氷の山脈ができるのです。
これが「御神渡り」です。
2018年に出現以来、ことしは5年ぶりの出現となるか。
小寒から、御神渡りの判定と神事を行う八剱(やつるぎ)神社の
宮司や氏子の皆さんが、毎朝6時半から、
気温と水温の計測とともに、湖面の観察を行っています。
そこで、私も現地に行って様子を見てきました。
29日の諏訪湖岸の気温は氷点下9.4度。水温は0.5度。氷の厚さは2センチほど。
「目視できる範囲では全面氷結」とのことでしたが、あたりを見るといろんな光景が。
風で砕けた氷が重なって氷のパッチワークのようになっていたり、
しぶき氷があったり・・・。
さらに目を遠くに移すと、ごくごく氷が薄いところには、
ビーナスベルトのピンク色も映り込んで、寒さも忘れる美しさでした。
近年は地球温暖化の影響もあり、御神渡りが出現しにくくなっているため、
1443年室町時代から伝わっている570年以上の御神渡りの記録は、
貴重な気候変動の記録にもなっています。
さぁ、ことしはいかに?!
御神渡りが出現した際には、全国ニュースにも取り上げられると思いますので、
ぜひチェックしてみてください。
次回のお天気だよりもお楽しみに。
担当理事:鈴木智恵