8月15日 理事のお天気だより

私が住む長野県はおよそ8割が山地という山岳県で、
山の恵みを受ける一方、大雨と土砂災害が隣り合わせ。
古くから土石流を示す「蛇抜け」という言葉が伝わり、
蛇抜沢や押出沢という地名が残っています。
そこで、先日、長野県と愛知県の県境に近い南木曽町(なぎそまち)に行った際に、
「蛇ぬけの碑」を見てきました。

昭和28年に3人が亡くなる蛇抜け(土石流)災害が発生。
慰霊とこの災害で得られた教訓を後世に伝えることを願って
建てられたのが「蛇ぬけの碑」です。

この碑には
白い雨が降るとぬける
尾先谷口宮の前
雨に風が加わると危い
長雨後谷の水が急に
止ったらぬける
蛇ぬけの水は黒い
蛇ぬけの前にはきな臭い匂いがする

と書かれていました。

令和の時代の今も、学ぶべきことが書かれています。
「白い雨が降った」というのは、
ほかの土砂災害のにあった住民の方からも聞かれる表現です。


(この碑の裏手)

また、近くにある大正時代に建てられた家屋は、
1階部分は、また崖崩れが起きても多少は対応できるように、
柱だけのピロティになっていて、
さらに、当時、山から崩れ落ちてきた岩の上に、
柱を組んでいる部分もありました。


この付近がいかに昔から土砂崩れが多く起こっていたかを
あらためて知ることができました。

時間のある時にでも、お住まいの地域をゆっくり歩いてみると、
過去の災害から学ぶ何かが見つかるかもしれません。

今年が残暑が厳しいようです。
くれぐれも、ご自愛ください。

来週の理事だよりもお楽しみに。

担当理事 鈴木 智恵