きょうのテーマは広島の桜の開花についてです。
広島の標本木は広島市中心部の縮景園という日本庭園にあります。
きょう(3月21日)午前10時、広島地方気象台職員の職員が
9輪以上の花が咲いているのを確認し開花の発表となりました。
平年より4日早い発表ですが、去年に比べると10日遅くなりました。
去年、広島は全国で最も早く3月11日に開花しました。
それまでの広島の最早記録(3月19日)を1週間以上も大幅に更新。
さらに1953年の統計開始以降、全国で歴代2番目の記録的早さでした。
福岡か東京か…などと言われていた中でいきなり広島が全国トップとなり
意外性という意味で覚えている方も多いかもしれません。
一方で去年の開花をめぐってはこんな声もあがっていました。
去年から広島地方気象台が標本木を新たなソメイヨシノに変更したために
「記録的に開花が早くなったのは、標本木の変更が原因ではないか」
という指摘です。
では、標本木を変更したことで開花が大きく早まったのでしょうか。
こちらは気象台が広島の新旧の標本木の比較のため
10年ほどの開花日を調べた結果です。
新・標本木の開花は、旧・標本木に比べて
全体的に2,3日早い傾向が見てとれます。
ただ、この結果を見る限り、
標本木を変えたことが去年の開花が極端に早くなったことに
つながった理由というのは難しそうです。
(ちなみに去年は6日の差がついていますが、
標本木の変更が決まったあとに旧・標本木の一部の枝が切られたため
参考程度の記録です)
続いて、昨シーズンと今シーズンの冬から開花までの気温の違いを見てみます。
昨シーズンの気温変化は休眠打破をしたあと、つぼみの生長が加速するのにとても都合のよい気温変化だったのかもしれません。
一方、ことしは2月の終わりまで寒さが厳しく
3月に入ってからの極端な暖かさで一気につぼみが膨らんだものの
去年の早さには遠く及ばなかった…
という感じでしょうか。
これ以上の深い考察をしていないので結局どうだったのかよくわかりませんが、
サクラのつぼみの生長と気温変化に詳しい方がいらっしゃれば
このあたりのメカニズムを教えてください。
ところで、きょうの開花発表で広島地方気象台の担当者は
「去年が異様に早くて標本木を変えたからじゃないかと言われたが、
これで標本木の変更が大きな理由ではないことが証明されたかなと安心している」
とうれしそうにインタビューに答えていました。
では最後に、ことしの民間気象会社の
広島の開花予想の変遷です。
担当:理事 岩永哲